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━━━ ポリシラザンシリカコーティングとクオーツコーティング関連のトータルソリューション ━━━ |
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PHPSの硬化メカニズム |
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PHPS溶液とは
〇パーヒドロポリシラザン(Perhydro-polysilazane=PHPS)という独自物質が、大気中の水分と反応してシリカガラスに転化することを利用した製品の名称です。PHPS溶液はパーヒドロポリシラザン、有機溶媒、触媒(常温/低温タイプ)により構成されています。
(以前は原料メーカーが「アクアミカ」というポリシラザン溶液の販売をおこなっていましたが、2011年より原料製造に特化したため、現在は販売されて(流通して)いません。詳しくはお問い合わせ下さい)
シリカへの反応
〇加工をおこなうものの大きさや形状に合わせて、様々な方法で塗布できます。常温硬化タイプの場合は、塗布後数分ほど放置し溶媒を揮発させれば、その自己架橋性の強さから即指触乾燥状態となります。その後、目には見えませんが大気中の水分と猛烈な勢いで反応します。
シリカへ転化するまでの時間は気温や湿度などにも左右されますが、図1に示すように平均的な環境下では約2週間程度で密度2.0の緻密なシリカフィルムとなります。
図1 塗膜密度の変化
〇図2にPHPS溶液の赤外吸収スペクトルの変化を示します。Si(珪素)、N(窒素)、H(水素)のみから構成されるPHPS溶液が、Si(珪素)、O(酸素)から構成されるシリカガラス(SiO2)へ変化しています。Si-Me(メチル)やC(炭素)などの成分は一切存在せず、正真正銘の完全無機質のガラス膜を形成します。
図2-A PHPS溶液の赤外吸収スペクトル(乾燥直後)
〇ここで特徴的なことは、骨格のSi-N結合がSi-O結合に変わっていくというユニークな反応であると同時に、基本構成単位の分子量が60/45=1.33で計算される通り増加する点です。この現象は膜質(硬さ)に対して有利に働きます。
図2-B PHPS溶液の赤外吸収スペクトル(シリカガラス転化後)
〇PHPS溶液をコーティングして、物質の表面を非常に薄いガラス膜で覆うことにより、防汚性、防食性、バリア性、耐薬品性、耐スクラッチ性、電気絶縁性などのガラスが持つ優れた機能を、様々な素材に付加させることが可能になります。 |
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